完結

クォーツ

SF・ファンタジー

更新日:2021年8月17日

クォーツ

第1章


「ジョー。父さんが君に伝えたいのはね、常識なんて簡単に覆されるということだ」

 父さんはその映画を観るたびにこう言う。100年前にアカデミー賞を獲ったものらしい。

「自分の血を売って金を稼ぐ。それが貧困の象徴とされている時代があったんだ。信じられないだろう? 今、この世に、自分の血液価格を知らない人間は一人といない。一つの発明が、世界の常識を変えたんだ。素晴らしいことだと思わないか?」

「うん。そうだね」

 酒を飲むと、父さんは決まって饒舌になった。そして少々、気が大きくなってしまう。酒に酔っている時の父さんを、僕はあまり好きではなかった。

「なあ、ジョー」

 父さんはグラスにワインを注ぎ足しながら言った。

もくじ (3章)

修正履歴
  • 第1章 第1章

    第1章

    2021年8月17日

  • 第2章 第2章

    第2章

    2021年8月17日

  • 第3章 第3章

    第3章

    2021年8月17日

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小説宝石

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