オーマイリリー!!

恋愛

更新日:2021年8月27日

オーマイリリー!!

第1章 愛しの彼女の腕の中、




「リリー、泣かないで、」

「レオ、」



愛しくて堪らない君が、目の前で泣いている。その涙は、はらはらとその長い睫毛を越えて転がり落ち、美しいレースに散っていく。

――……俺なんかに、その涙を零さないで。

そう言おうとしたけれど、ごほ、と粘り気のある咳が言葉の邪魔をした。咳き込んだ拍子にリリーの陶器のような肌に赤い斑点が飛んだ。

汚れてしまった。慌ててその頬に、指先を伸ばした。けれど、朧げな視界に映った自分の指はどす黒い赤に染まっている。

ああ、そうだった。俺は今、リリーを護って、刺されたのだった。



「レオ、ああ、レオ、血が、」

「リリー、大丈夫だよ……っう、」

「レオッ」



いつもそうだった。5歳年下のこの…

もくじ (6章)

  • 第1章 愛しの彼女の腕の中、 第1章 愛しの彼女の腕の中、

    第1章 愛しの彼女の腕の中、

    2021年8月27日

  • 第2章 昔の僕らに想いを馳せて、 第2章 昔の僕らに想いを馳せて、

    第2章 昔の僕らに想いを馳せて、

    2021年8月27日

  • 第3章 泣いて笑ったあの日に浸り、 第3章 泣いて笑ったあの日に浸り、

    第3章 泣いて笑ったあの日に浸り、

    2021年8月27日

  • 第4章 近づく終焉が伸ばした手から、 第4章 近づく終焉が伸ばした手から、

    第4章 近づく終焉が伸ばした手から、

    2021年8月27日

  • 第5章 逃れることなどできなくて、 第5章 逃れることなどできなくて、

    第5章 逃れることなどできなくて、

    2021年8月27日

  • 第6章 ただ神様に、揶揄われている。 第6章 ただ神様に、揶揄われている。

    第6章 ただ神様に、揶揄われている。

    2021年8月27日

作品情報

泣かせてごめんね、リリー。大好きだったよ、リリー。
次の世では、たくさんたくさん、一緒に――……笑おうね。

これは、せっかく愛し合える世界に転生したというのに、愛しの彼女との間にある新たな壁にぶつかった少年の物語である。

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29分

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