完結

竜鳴き山にて

SF・ファンタジー

更新日:2021年9月4日

R-15

竜鳴き山にて

第1章 前半

 その日の竜鳴き山は晴れてこそいたが、太陽の熱を奪う荒涼とした風が吹いていた。
 いま、山の中腹にある森を、一人の青年と一頭の獣、そして一人の少年が歩いている。彼らは山の頂上を目指していた。

「樹だけ見れば、近くの森と何も変わらないのに」

 青年と獣の後ろを歩く少年の名はユールクといった。歳は十五の狩人である。襟足の伸びた金の髪を風になびかせ、かき集めた道具と弓を背負って歩いている。丸い大きな緑の瞳に、ざわめく木の葉が映り込んでいる。

(風が違う。ひとが立ち入っていいかたちをしていない)

 少年は、竜鳴き山に生まれて初めて踏み込んでいる。全てのものが己を威嚇するような空気に、彼は身震いをした。

「このあたり…

もくじ (2章)

  • 第1章 前半 第1章 前半

    第1章 前半

    2021年9月4日

  • 第2章 後半 第2章 後半

    第2章 後半

    2021年9月4日

作品情報

竜鳴き山を、青年と一頭の獣、そして少年が歩いている。
今、この竜鳴き山にはおそるべき老竜『黒衣』が住んでいた。
黒衣に村を焼かれた少年ユールクは、旅人である青年と連れの魔狼に仇討ちを請う。
奇妙な色の瞳をした青年は、ただその願いに「分かった」と言った。

竜鳴き山で繰り広げられる死闘の結末やいかに。

物語へのリアクション

お気に入り

0

読書時間

じっくり

コメント

2

リアクション

13

関連作品

このページの内容について報告する