完結

ひとりぼっちのふたり

ヒューマンドラマ・日常系

更新日:2021年9月20日

ひとりぼっちのふたり

第1章 唇を噛む

 赤崎愛花は唇を噛んだ。
 よく出てくる描写だが、自分はしないだろうと思っていた行為だった。
 自然に唇を噛んで我慢するようになったとき、もうあの頃の自分とは違うことに気づいて苦笑が漏れた。
 落ち葉を踏んで、かさりと音がする。乾いた葉の細胞ひとつひとつが、愛花の足の下で壊れた。
 今日も明日も、きっとこの寒々しい帰り道で唇を噛むのだろう。
 その元凶、父親のことを思うと消えてしまいたいような気持ちになる。
 昔はそんな人じゃなかったのよ。仕事を抱え込んでいるみたいで──母の言葉を思い出す。
 あんたが可愛くて仕方ないんだよ、きっと。酔って帰ってきた時も真っ先にあんたのところに行くでしょ? ──姉の言葉を思い出す。
 昔は…

もくじ (7章)

  • 第1章 唇を噛む 第1章 唇を噛む

    第1章 唇を噛む

    2021年9月20日

  • 第2章 孤独感 第2章 孤独感

    第2章 孤独感

    2021年9月20日

  • 第3章 確実に嫌いだ 第3章 確実に嫌いだ

    第3章 確実に嫌いだ

    2021年9月20日

  • 第4章 同族嫌悪 第4章 同族嫌悪

    第4章 同族嫌悪

    2021年9月20日

  • 第5章 ショッピングモール 第5章 ショッピングモール

    第5章 ショッピングモール

    2021年9月20日

  • 第6章 受け取ったサイン 第6章 受け取ったサイン

    第6章 受け取ったサイン

    2021年9月20日

  • 第7章 晴れた日 第7章 晴れた日

    第7章 晴れた日

    2021年9月20日

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