完結

敬具

恋愛

更新日:2021年9月11日

敬具

第1章


今年も君を忘れるなんて無理だった。
正確に言うと忘れきることが出来なかった。
少しずつ、その笑顔を、そのおさげの髪を、甘えたいときにわざと冷たくすると口をぷくって膨れさせるその姿を、好きなことを語るときに手をぐっと握る姿を思い出せなくなっている。
だが、忘れたと思った矢先僕の脳裏に現れる君は、まるで花火のようだ。

僕が君との記憶に縋るたびに、君の背中は一歩、また一歩と遠ざかっていく。
僕が君を追おうとするたびに、後ろめたさが僕を妨げる。

この夏、友達と花火をした。線香花火が散っていく。儚く散った僕の恋心のようだ。いや、君みたいだったかもしれない。わからない。夜に輝くこの想いも、この花火と一緒に一緒に散っ…

もくじ (1章)

  • 第1章 第1章

    第1章

    2021年9月11日

作品情報

花火が散ったらあなたを思い出します。それでは。

物語へのリアクション

お気に入り

0

読書時間

2分

コメント

0

リアクション

1

関連作品

このページの内容について報告する