天使と悪魔
第1章
・
・【財布】
・
俺は何かモノを見つけやすい。
意図せずモノを見つけてしまう能力を持っているのだ。
今日もまた何かを見つけてしまった。
そう、落ちている財布だ。
こういう状況に陥ると必ず俺の脳内に天使と悪魔が浮かんでくる。
まずは天使がこう言う。
「カードを使うと足がついてバレる。だから中身の現金だけ抜き取ってガワは川に捨ててしまえばいい」
いや天使が知能犯。
いっつも天使が知能犯なのだ。
そして悪魔は、
「中に虫を入れてから元にあった場所へ置いて眺めていればいいよぉ」
愉快犯なんだよな、俺の悪魔って愉快犯なんだよな。
すると天使と悪魔が会話し始める。
「悪魔よ、そんな手の込んだ変態みたいなことをする意味が無い」
「いや…
もくじ (1章)
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