パリの青空
第1章
僕がパリで出会った、ある女の子の話。
僕はその子と、止まっていたビジネスホテルの通りを曲がった所の公園で出会った。
彼女は彼女の祖母と、木製のベンチに腰掛けていた。
祖母の話に頷く度にさらりと揺れる金髪に、柔らかい木漏れ日が差している。
春のある日だ。
彼女の祖母は銀髪で、トルコ石のような青い目をしていた。
彼女の目は見なかった。
後ろを向いていたから。
その程度の認識だった。
僕の初恋、約一時間前。
ビジネスホテルに戻った僕は、ぼんやり窓の外を眺めていた。
窓から見える建物だけでも、十分お洒落な趣がある。
レンガ造りの建物。
響きだけで憧れていたものが目の前にある。
それを見ているだけで満足だったし、観光地に行くよう…
もくじ (1章)
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