Z-YEN
第1章
2XXX年9月20日。
今日、私に判決が下る。
逮捕以来、一貫して私は無罪を主張してきた。
双方の主張は最後まで交わることはなかった。
ある意味、私は昨年できた新制度を盤石なものにするための捨て石にされたのだろう。
私の罪名は新制度に伴って刑法に追加されたもの。
「善意取得妨害罪」ならびに「国家転覆教唆罪」。
重罰規定によって、私の求刑はこの国における最高刑になった。
懲役150年。
私は生まれ育ったこの国を愛している。
私はあと数十年しか生きません。
この国は、いつからおかしくなってしまったのだろう。
私は一貫して、こんな制度は必要ないと叫んだ。
私は国会に「善意交流促進化法ならびに国民生活安定化法」案が上程された…
もくじ (1章)
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