完結

河合曾良の未練

異世界

更新日:2021年9月21日

河合曾良の未練

第1章



 「俺」

 令和三年において、男の一人称は「俺」という。

 
 慶安二年に生まれ、元禄二年に生きる予、ではなく俺、河合曾良は、およそ三百三十年後の日本に居る。気がついた時には居たと申したほうが正しいか。
 冒頭の「俺」は、こちらの世にて初めて出会った御仁が、自らのことをそのように呼んでいた印象的な言葉である。

 しかし実は江戸時代にも男女を問わず使われている。江戸ではあまり聞かないが農村に行けば「おれ」「おら」などという発音を耳にする。
 
 何が謂いたいかというと、今回は「俺」で書き付けを残してはどうかと思い至った。
 あまり時間もないため、ざっくりだが許してほしい。



 俺は、松尾芭蕉翁に同行する遊俳である。
 翁は専業で俳…

もくじ (1章)

  • 第1章 第1章

    第1章

    2021年9月21日

作品情報

元禄二年から令和三年に来てしまった松尾芭蕉の同行者、河合曾良のつぶやき。

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