大切な君へ
第1章
ねぇ、ちゃんと寝てる?
君は最近体調が悪そうで。
そう聞きたかった。
ああ、でもダメかなぁ。
あの子は自分が辛いこと、人に隠したがるし。
僕が声をかけても怖がられるだけかもしれない。
顔色も悪いし。
いつも丁寧なあの子のお辞儀が、今日は少しおざなりになっていた。
頭が痛いときって、そうなるよね。
頭を揺らしたくなくて。
ちょっとでも動かしたらクラクラするから。
僕もそうだよ。
頭痛がするときは頷くのも止めて口で答える。
疲れてるのかな。
もうすぐ体育祭だからなぁ。
全力で委員会を回避した僕は何もないけど、準備とか大変なのかも。
そんなある日のこと。
僕は先生に頼まれて、採点済みのプリントを皆に返却していた。
彼女のが一番最後…
もくじ (1章)
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