空を見上げた君は
第1章 風露(フウロ)
夏の夜。
新月なのか、真っ暗で辺りが良く見えない。
その分、見たこともない星空が広がっていた。
そんななか、畑に薄手の服を着た年の頃10代の少女2人-恐らくは就寝前なのだろうか-が、沢山の星達に目を向けている。
「風露(フウロ)見て!」
今にも届きそうな星達に、感動のあまり両手を広げ、右隣りで静かに見上げていた少女に、風雅(フウガ)が話しかけた。
「本当、綺麗……」
そう言って胸の前で手を組んだ少女-風露(フウロ)は、暫くの間瞳を輝かせて見つめている。
こうしていると、空から素敵な音楽が降り注いでくるようで、このままずっと時を忘れて星を眺めていたいという衝動に駆られた。
「ねぇ、風露(フウロ)、知ってる?」
…
もくじ (1章)
作品情報
作品紹介文はありません。
物語へのリアクション
お気に入り
0読書時間
6分コメント
4リアクション
5