完結

最初の一粒

ヒューマンドラマ・日常系

更新日:2021年10月2日

最初の一粒

第1章

「ねぇ、ママ。
雨の最初の一粒が当たったら、願いが叶うって知ってる?」

 病室の窓に当たる雨を眺めて息子がつぶやく。

「たっくん、それは、おとぎ話?」

「僕が考えた、お話。素敵じゃない?」

 ニッコリ笑って振り向いた顔は、同い年の子供と比べたら青白く儚い。
 消えてしまいそうな気がしてギュと抱きしめた。

「僕の願いは大好きなドロップを降らせること、色んな色がキラキラしてキレイだよね、きっと」

 息子が腕の中でクスリと笑った。

 元気になりたい……と言わないのは、叶わぬ願いだと知っているからだろうか。

 雨が強くなり窓を叩く。
 私の心と同じどしゃ降り。
 泣かないと決めた、あの日からずっと。

ーーーカシャーン

 何かが落ちる音…

もくじ (1章)

  • 第1章 第1章

    第1章

    2021年10月2日

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