完結

秋、赤音

ヒューマンドラマ・日常系

更新日:2021年10月24日

秋、赤音

第1章

 夏なんか忘れたよ、とでも言いたげな冷たい木枯らしが吹いていた。今日は四限が休講だから早々にキャンパスを出ることができたけれど、太陽はまだそれなりに高い場所にいるのに、陽射しのあたたかさを感じられない。今もわたしの髪をくしゃくしゃに乱そうとする冷たい風のせいだ。せっかく今日はうまくいったのに、と忌々しく思いながらスマートフォンの時間を確認する。次の電車には十分、余裕で間に合うだろう。


「秋だねえ」


 ポケットに手を突っ込みながら隣を歩く、同級生の浩介(こうすけ)はどこか愉快そうに言った。浩介はたまたま語学の授業でペアを組んでから仲良くなった男子で、よく講義中は教科書を枕にして眠っている健康的な大学生…

もくじ (1章)

  • 第1章 第1章

    第1章

    2021年10月24日

作品情報

低カロリーにしたかった

執筆時BGM : No way to say / 浜崎 あゆみ

物語へのリアクション

お気に入り

1

読書時間

6分

コメント

6

リアクション

41

関連作品

このページの内容について報告する