水竜との約束
第1章 一.
わたしがその美しい竜と出会ったのは、とても暑い夏のことだった。
当時、小学校低学年だったわたしは、夏休みを使って祖父母の家に遊びに来ていた。
祖父母の家は、電車を三度も乗り換えて、さらに最寄り駅からかなり歩かなければならないくらいの田舎だった。両親は仕事で一緒に行けなかったので、ちょっとした冒険気分になっていたわたしは、とても興奮していた。祖父母の家にたどり着いてからも、ずっと心臓がドキドキしていて、落ち着かなかった。
昼ご飯の後に出される西瓜も、そよ風を受けて揺れる風鈴も、蚊取り線香の渋い香りも、すべてが新鮮だった。
そして、ひとりで祖父母の家にいることにもだいぶ慣れた頃、それは起こってしまった。…
もくじ (8章)
修正履歴作品情報
わたしがその美しい竜と出会ったのは、とても暑い夏のことだった――。
(2021.11.14)
物語全体にてこ入れし、誤字脱字の修正や、一部表現を改めました。その他お気づきの点などありましたら、コメント欄で教えていただけると幸いです。
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