Life Line
第1章
思えば、あの日も電車に乗っていたんだ。かれこれ5年前になるだろうか。初めての恋人と初めてのデート。東西線で葛西に行って、これまで電車の窓からしか見ることのなかったあの観覧車に乗ったんだった。
そういえば高校時代も。最寄りが九段下で、土曜の学校帰りは渋谷に押上、そして池袋。まるで迷路のような路線図を臆することなく進んでいた。
私は今、大学生になった。電車に揺られて、今日も生きている。5年前のあなたは隣にはいないけど、あの日の友達と会う機会は減ったけど、寂しくない。
だって、電車は辛い過去も楽しかった思い出も一緒に連れて、私を新たな未来へ導いてくれるのだから。
手元に握りしめているのは明日行きの片道切符…
もくじ (1章)
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