会いたくてしょうがないのです。
第1章
大学から電車に乗り30分、押上駅に着いた。そこから半蔵門線に乗って数駅揺られるだけ。そんな毎日だ。
この電車を降りずに渋谷のその先で生活している君に会いに行きたい。この気持ちは何度目だろうか。
高校時代、委員会が一緒だった僕と君は何度も一緒に帰ることがあった。
九段下の駅、まだ一緒にいたい気持ちをこらえて、君が半蔵門線に連れ去られてしまうのを見守るしかなかった。その後で僕も東西線の各駅停車西船橋行きに乗り込んでいた。
学校が離れた今でもまだメッセージアプリを利用して連絡をしている。君にとっての僕はなんてことない暇つぶしのうちの一人だろう。
でも僕は、僕にとっては。
危ない、今日も同じことを考えていた。乗…
もくじ (1章)
作品情報
君に会いたくて会いたくて仕方がないのです。
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