カンガルーエクスプレス
第1章
東京メトロ丸の内線、全運行が終了した。だけど、俺はまだ池袋駅構内にいる。
「うわあ、めんどくさい」
俺が住んでいる家は、高円寺にある。タクシーでもバスでも使いたいところだが、あいにく現金はほとんど無い。定期券しか持ってないのだ。
「歩いて帰るか…」
徒歩なら、帰宅に一時間半はかかる。明日の仕事に響きそうだが、しかたない。
「おにいさん、おにいさん」
だれかに呼びかけられる。声がする方に振り向いた。
「コンバンハ〜!」
そこにいたのは、カンガルーだった。俺は少し驚き、まばたきを数回繰り返す。だが、すぐに落ち着きを取りもどした。日本の最先端を誇る東京は「なにが起こっても、フシギじゃない」のだ。
「…こんばんは…
もくじ (1章)
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作成日:2021年12月7日