めとろのうむ
第1章 月曜日
一日目。
朝霧の深い朝、僕は電車に飛び乗った。
昔から英語が苦手だ。高校生になって、初めて赤点を取った。先生の恩情で、一週間の早朝補習後の再テストで、なんとかなるかもしれない。とてもありがたいことだ。
東京メトロの有楽町線。
始発駅であるの新木場から乗り込む。
いつもと違う時間帯なので、それほど混み合っていない。車内を見回すと、見かけた顔があった。
「あれ、朝霧くん」
イヤホンを取る仕草。少し茶色い髪が揺れる。
高校生の制服姿が、以前よりも大人っぽい。
たしか、中学校時代、同じクラスだった・・・
「・・・林崎麻里さん?」
「そうです。あれ、ちょっと疑問系? しかも、なぜにフルネームなのかな?」
「ほら、・・・いや、…
もくじ (5章)
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