『ありがとう』を伝えたい
第1章 ☆プロローグ☆
──よく晴れた日曜日。
買い物がてら、偶然通り掛かったライヴハウス前で足を止めた。
未来(みく)は社会人三年目だけど、元々音楽が大好きで、高校卒業まで軽音楽部で活動をしていた。
普段は洋楽を好んで聴いているが、バンドのビジュアル、プロ・アマ関係なくライヴに行きまくっている。
盛り上がる観客の空気とノリのいい彼らの曲につられて、皆と一緒に大声で歌っていた。
すると、曲の途中でステージから突然飛び降りたバンドのリーダーらしいボーカルが、スタンドマイクを引きずり下ろし未来の目の前に置いた。
『…え?』
「…あんた、いい喉してんじゃん?」
(のど…?)
冗談みたいなセリフを真顔で言う彼に、少し動揺しながら周りを見渡す…
もくじ (14章)
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