コインランドリーの乾燥機で君と僕のパンツが遊泳していた春
第1章
春になると思い出すのは、コインランドリーで困った顔をしていた君のことと、洗濯した僕のパンツにまとわりついていたティッシュのことだ。
「レフ板持ってきて。そっちの照明もっと上げようか」
撮影スタジオの若いアシスタントたちが指示通りにテキパキと作業を始める。わざわざ口に出してほめることはしないが、最近の子は優秀だなあと感心していた。アシスタントに撮影準備を任せて、手持ち無沙汰になった僕はズボンのポケットに使いかけのティッシュが入っていることに気付く。
いつまでたってもこのクセはなおらないのかと、ついつい苦笑いを浮かべてしまう。
小さいころから花粉症に悩まされていた僕は、いつ垂れてくるかわからない鼻水に怯…
もくじ (13章)
修正履歴作品情報
「コイ春」の愛称でヒットする映画の原作小説(もちろん空想)です。
花粉症で悩む人は共感必至のあるあるストーリーです(こちらは空想ではなく本当です)。
家で娘から「もお、お母さん! お父さんのと私の下着、一緒に洗濯しないでっていったじゃん!」と聞こえよがしに言われて、しょんぼりしているお父さんたちにぜひ読んでほしい作品です。
2022.01.10 スタッフオススメの物語に選出していただきました。
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