美しさは、罰。
第1章 美しさは、罰。
「またか」
開いたばかりの新聞をソファに放り投げる。
“世界で一番美しい少年”
“美しいことは罪ですか”
半世紀前から散々聞かされた煽り文句と共に十五歳のあの子がこちらに睨みつける風な眼差しを向けてきた。
「いつまでやる気だよ」
大写しになった十五歳のアッシュブロンドと陶器じみた滑らかに白い肌のタッジウの下には北欧神話のオーディンさながら真っ白な髪に長い髭を生やした皺深い顔の写真がおまけのように小さく載っている。
「すっかり老け込んで」
僕より十一歳下だからこの子(という言い方もおかしいかもしれないが)ももう六十六歳だ。
だが、この近影だと八十過ぎと言っても通るような老け具合だ。
「まだ皆に見られたいのかい」
…
もくじ (7章)
修正履歴作品情報
“もし十五歳の僕がここにいたら? 君はきっとここにはいないよ”
“もし君が二十六歳になったら? 僕は絶対にここにはいさせないよ”
美少年だったあの子と美青年だった僕。
――2022年2月7日、第4話を若干加筆修正しました(基本的な内容は不変です)。
――2022年1月14日、第7話を若干修正しました(基本的な内容は不変です)。
――2022年1月10日(投稿日当日)、第6話の読みづらい箇所を修正しました(基本的な内容は不変です)。
――2022年1月7日(投稿日当日)、第5話の読みづらい箇所を修正しました(基本的な内容は不変です)。
物語へのリアクション
お気に入り
1読書時間
18分コメント
2リアクション
28