微睡
第1章
寝ても覚めても雪国だった。
雪崩に巻き込まれる……という騒がしい夢から目を覚まし、隣で眠っている存在を起こさないよう、身体を起こして窓の外を見ると、相変わらずの真っ白い住宅街の光景が広がっている。観測史上三本の指に入る降雪量なのだそうだ。布団の中のぬくもりを逃がさないように、すっと身体をすべらせるように布団から出て、隙間のないように元に戻す。我ながら思いやりのある彼氏だと思わないか? ってか思ってくれ。
ストーブはタイマーで勝手に点くようにしてあるが、たった今動きはじめたばかりで、まだ部屋の中は凍えそうな室温だ。いそいそと風呂場に行き、シャワーを出して、お湯が温まるまでの間で用を足した。彼女に見ら…
もくじ (1章)
作品情報
「まどろみ」
執筆時BGM : ユラユラ / あいみょん
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