大きなお年玉と小さなお年玉
第1章
「大きなお年玉袋と小さなお年玉袋、どっちか一つ選べ」
毎年正月にやってくる親戚のおじさんがそういった。
おじさんが俺に見せたのは一つはフツーのお年玉袋だったが、もう一つはパンパンに膨れ上がってたA4サイズのお年玉袋だった。
欲に目がくらんだ俺は「大きいの」と思わず口にした。
俺の妹たちは意外にも小さなお年玉袋を選んだ。
俺が期待に胸を膨らませてお年玉袋の中を確認すると1円玉や10円玉の小銭がギッシリ詰め込まれていた。
一方、妹たちが選んだ小さなお年玉袋には1万円札が入っていた。
あ然とする俺へ、
「はっはっは! 欲をかくから損をする。世の中のセオリーだ。坊主、いい教訓になったな」
とおじさんは笑った。
畜…
もくじ (1章)
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