君と僕が出会うまで
第1章
◇◇◇◇◇
「じゃあ、気をつけてね」
「ああ」
「何かあったら連絡するのよ」
「ああ」
「あ、具合悪くなったら無理しちゃだめよ。ちゃんと休んで……」
「さっさと行けえ!」
まったく……何が新婚旅行のやり直しだよ。いい歳こいてイチャイチャしてんじゃねえ。
ゲートの向こうへ消えていく両親を見送った俺は盛大にため息をついた。
至って普通の両親から生まれた俺は、至って普通の育ち方をし、家から近い中の中程度の高校にのんびり通っていた。
これまでの俺はモブの中のモブ。キングオブモブと言っても差し支えない。
事情が変わったのは、親父がとある仕事で一発当ててからだ。
人当たりのいい親父のどこにそんなパワーがあったんだろうっていうく…
もくじ (4章)
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