はじける。
第1章
昔から、姉弟のように育ってきた。
習い事も一緒。
夏休みの宿題は、いつも最終日になると夜中まで彼のやり残しを手伝った。
中学に上がって、同じ運動部に入部した。
私は、この時点で彼の事を意識していて、なかば追いかけるような形だった。
背なんか、どんどん大きくなって。 私が、手を伸ばしてやっと頭のてっぺんだ。
女の子みたいに高かった声も、今ではいっぱしの男の子だ。
学校が終わり、夕方――。
一緒に帰っていると、たまたま彼の喋っていた声と、車の通りすぎる音が重なった。
「ごめん、いまなんて言った?」
すると、彼は大きな身体を傾けて、私の耳元で「いま、好きな奴いるのか?」と囁く。
は? 何言ってんの? ずっと、あんた…
もくじ (1章)
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