完結

片想いは はじけゆく 泡のように

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更新日:2022年1月21日

片想いは はじけゆく 泡のように

第1章

 実家のお風呂はさすがに一人暮らしのそれより大きく、少し寒く感じて、浮かせていた両の足をばしゃんと沈めた。穏やかなお湯の海には波が起こり、またもとの形に戻ろうとする。

 つま先を沈めた事で、ぶくぶくとでる入浴剤の泡が見えた。水面に触れるたび、青いレモンの酸い香りが鼻に抜けた。

 リビングの笑い声から逃げるように湯船に向かった私は、お湯がぬるく感じるまでの間、ずっとずっと、つま先から逃げ出す泡を見ていた。


(どうしようか)


 浮かんでは消える泡を見ながら、声にならない気持ちを反芻する。

 どうしようか、なんて考えても答えは出ていた。答えがでない、ということは決まっていたし、知っていた。

 それでも、自分の中に生…

もくじ (1章)

  • 第1章 第1章

    第1章

    2022年1月21日

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