闇夜の捨て闇
第1章
喫茶店のソファ席に座っていると、隣から興味深い話が聞こえてきた。
「この間さ、夜中に道を歩いてたら、ミャーミミャーミって鳴き声が聞こえてきたんだよ」
「へー、子猫とか?」
「ああ、オレもそう思ってよく見てみたら、電信柱の前にダンボールが置いてあって」
「へー、良いじゃん。羨ましい」
まーね。
可愛いだろうよ。
ただし、本当に猫ならね……。
「で、ダンボールの中を覗き込むと……まっ暗なわけ」
「あー、そっちか」
「そうそう、そっちそっち」
……ん?
そっち、ってなんだ??
「まあ、そっちはそっちでアリかと思って拾ったけど」
「まーな。アリだろうな。で、サイズはどんなもん?」
「ああ、その時はこれぐらいだったかな」
男…
もくじ (1章)
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