隣のうちのおばさんは私のピアノを聞いているに違いない
第1章
子供の頃、
ピアノを弾くとき、
「隣のうちのおばさんは
私のピアノを聞いているに違いない」
と思いながら
弾いていました。
幼稚園の頃、
姉を真似てピアノを弾いていたら
「お姉ちゃんが弾いていると思った」
と隣のうちのおばさんが言っていたと、
母から伝え聞き、
とてもいい気になったのです。
誰でも誉められると
嬉しいんですよね。
それからは、
隣のおばさんが
きっと上手いと思って
聞いていてくれるに違いない
と思って
弾いていたものです。
こういうのを
脳内イマジナリーおばさんとでも
言うんでしょうかね。
以後、1度も誉められたことはないのに、
まるでリサイタルをしているような気分で
弾いていたものです。
今は
近所迷惑になるので
1時…
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