酔いどれ探偵 山崎響 ◆インターミッション◆
第1章
「まさか、家族全員が怪盗だったとはなぁ」
深夜の大阪港。
埠頭の倉庫の片隅で、大阪府警の大和川警部は顎に伸びた無精ひげをさすった。
「らから……やまらさん一家があやしいって……最初からいってたじゃないれすか」
その横に、真っ赤な顔をして足元のおぼつかない女性が、かろうじて立っている。
「警部! 山崎響さんの身柄を確保、もとい、支えてもよろしいでしょうか!?」
「倒れそうになったら構わんが、それまではやめておけ。セクハラで訴えられるぞ」
「はっ!」
傍らにいた制服の若い警官が敬礼する。
「いーのいーの。岸辺くんは、おねーさんに触っていーのよー。大和川さんは、らめ。倒れそうになったら、岸辺くんがたすけてねー」
「…
もくじ (1章)
作品情報
『名探偵 山崎響』シリーズの幕間、という感じで書いてみました。
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