配合率と缶コーヒー
第1章
目の前に高田君が立っている。
戦いを好む何人かの女子生徒が今日は、登校中や昼休みや帰り際、代わる代わる高田君に挑んでいった。しかし、皆肩を落として帰還する。高田君にかすり傷ひとつ付けられずに。
そして私は、赤い箱に入ったチョコレートを胸の高さに持ち、今、高田君の前に立っている。
「話したい事って、何?」
高田君に声をかけられて、はっとする。
そうだ。私は、高田君に告白しようとしていたんだった。バレンタインと世間が騒ぐ今日、チョコレートという武器を携えて。別に戦いたいわけではない。
すると、高田君の顔を一対一で見た瞬間、疑問に思ってしまった。
___好きって、何だ?
それは呪いのように足元から私を囲い始め、と…
もくじ (1章)
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