さくら、豆を買いそびれる
第1章
生まれは鬼ヶ島、名は寅次郎。人呼んで、節分の寅さんと申します。
今年は年男の寅さんでありますが、成田山新勝寺でさえも、豆まきはたったの1分。まだまだ吾輩の暴れまする余力が残ってざんすよねえ。とはいえ、渡る世間は鬼ばかり、じゃなくて、旅は道連れ世は情け。そちら様がオミクロンで右往左往しておりまするご時世、鬼も自粛でありまする。いつも思いっきり豆を投げられては痛い思いをして鬼もつらいのでござんす。妹のさくらが今年はうっかりお豆さんを買い忘れて、あわててコンビニエンスストアへ買いにと走りさんしましたが、お生憎と売り切れざんした。鬼としては助かったというところでござんす。今後ともに、お手柔らかにお願い…
もくじ (1章)
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作成日:2022年2月3日