人生最後に君が望んだ景色を
第1章
内緒だよ。
その言葉を今でも僕は覚えている。
絶対に忘れないだろう。
僕の一週間だけの友の最後の言葉を忘れるわけがない。
──
人のいない山奥で木から垂れる樹液をめがけて木に登る一つの黒い影がありました。
クワガタです。
「マジしんどいわ。ずっと土の中にいたから全身がバキバキなんですけど。」
クワガタが樹液にたどり着くとそこにはすでに先約がいました。
「あんたもこの樹液を舐めにきたのか?」
「まあな。ってあれ?この声ってもしかして『ツーノ』?」
「えっ!もしかして『ガータ』?」
クワガタのガータが出会ったのは幼虫の時に土の中で一緒に遊んでいたツーノでした。
「元気?」
「まあまあかな、全身が痛い。」
「わかるわー…
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