あなたと影
第1章 ふいに
彼女が俺の事を好きだということは
前から気付いていた。
バスのエアーが漏れるような音を吹かしながらマニュアルのレバーを切り替え、坂道を進み通学路へと向かう。
俺の学校は地元から少し離れているので中学の同級生が乗る便より大体2、3本早いやつに乗る。
ほとんど同級生と会うことがない。
しかし、どの事象にも例外が存在する。
彼女、といっても恋人ではない同級生の女の子はよくバスで一緒になる。顔は整っており、噂では彼女を一目見ようとその教室前に盛んな男子が列を成しているということを聞いたことがある。
俺はその子が自分に好意があることが分かっていた。
他の女の子と話していたら嫌そうな顔をしたり、2年前に話した内容を未だ…
もくじ (1章)
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