チョコレート・ブルー
第1章
ぱたぱたぱたぱた。
海子は綺麗に整った本棚にはたきを掛けてゆきました。今日は週2回のアルバイトの日。川沿いにある独立系書店で、店番をする日でした。はたきを掛けると云っても、本棚は良くお手入れしておりましたので、ほとんど埃などありません。はたきを掛けながら、本棚に並んだ店主セレクトの風変わりな本の背表紙を眺めるのが日課でした。
外はみぞれになっておりました。入り口は湿気防止のため、引き戸を閉めて、外から見やすいようにスポットライトを落としておりました。
がらがら。
一瞬空気が変わって、一人の細身の青年が入ってまいりました。グレーのトレンチコートにグレーのチノパン。グレーのタートルネックに、ターコイズブ…
もくじ (1章)
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作成日:2022年2月14日