七原探偵事務所の七姉妹と家政婦さん
第1章 第1話 七原家のみなさん
キャリーバッグを引き、スマホの地図と景色を見比べながら、駅から徒歩約15分。
目的地の小ビルの前で、八恵子は立ち止まった。事前に教えられた住所と地図と、小ビルに掲げられた看板を照らし合わせ、八恵子は頷いた。
「ここか……」
看板には八恵子の新しい職場の名前が書かれていた。
七原探偵事務所。
♧
初めに出迎えてくれたのは、ショートヘアで銀縁の眼鏡をかけた長身の女性だった。年齢は20代後半くらい。手足が長くて、顔は中性的な美形だった。
「よく来てくれたね。うちの事務所の所長の七原一華です。よろしくね」
まずは第一印象! と意気込み、八恵子は明るく挨拶した。
「初めまして、家政婦の八恵子です。本日からお世話になり…
もくじ (6章)
作品情報
家政婦の八恵子が働くことになった、七原探偵事務所。
そこは個性的な七人姉妹が、互いの専門分野を活かして事件を解決する探偵事務所だった。
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