好きな後輩への愛を綴った裏アカが後輩に見つかる話
第1章
「……このアカウント、知っていますか?」
黒いブレザーの制服の裾から、白い指だけがちんまりと出て、飾り気のないスマートフォンを握っていた。
高校で背が伸びるからと、親を説得して買ってもらった一回り以上は大きい制服。
それに身を包んだ背の低い少女は、こてりと首を傾げて一歳違いの男子生徒に尋ねる。
スマートフォンの画面に映されているのは、誰でも知っているような人気のSNSアプリのページだ。
「先輩? ……アカネ先輩、聞こえてます?」
男子生徒、アカネの耳に少女の声は届いていなかった。
アカネが吐き出した吐息は嫌に熱く生々しい。 気にしたこともない息の熱や、血の巡り、心臓の音。
こてんと傾げられた少女の可愛らしい…
もくじ (1章)
作品情報
妙なテンションのラブコメ短編
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