スーベニア・イン・ザ・スカイ ~僕が青春を忘れた理由~
第1章 1.【プロローグ】Side光
「内緒だよ……」
【敢えて、その言葉を言わなかったのは誰かを信じたかったから。誰でも良い、何も言わなくとも秘密を守ってくれる友人が欲しかったから。理解者を望んでいたから】
◆ ◆ ◆
夏のとある日の夕方、俺は自分が住んでいるアパートの部屋の前に立っていた。両親が離婚し、父親が出て行ってから二年、母親は毎日のように知らない男を取っ替え引っ替え部屋に連れ込んで居る。
「ダメ、光(ひかる)が帰って来ちゃう」
そんな母親の声が中から聞こえて来た。いつものことだ。きっと、いつも俺の気配に気付いている。高校二年になったのだから、もう良いだろうと思われているのかもしれない。出て行け、と遠回しに言われているようだ。
「…
もくじ (9章)
修正履歴作品情報
私は生きづらいこの世の中で僕の居場所を探した。
※全9話です。
物語へのリアクション
お気に入り
4読書時間
じっくりコメント
9リアクション
77