運命の輪
第1章
トイレから戻ると他の四人は飲み物を片手に楽しそうに笑い合っていた。
俺は自分の席に座りながら積極的に会話に加わろうと試みた。
「何の話をしてたんですか?」
信長さんが口元に手を当てながら答えてくれた。
「ふふ。皆でおかしいねって話してたんです」
「何がおかしいんんですか?」
「ゴエモンさんですよ」
「へ?」
間抜けた顔をする俺の耳にキャミーさんの声が柔らかく刺さった。
「だって~。私達全員に騙されてるのに、全然気付いてないんですも~ん」
「だ、騙されている?」
一体なんなんだ、今日のオフ会は。
さっき『来てよかった』なんて思った自分を後悔した。
トイレでは咲希にとんでもないことを言われた。
どういうことだ人殺しって…
もくじ (1章)
作品情報
思い出せない記憶を辿って行く物語です。
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