1円ソーダの奇跡
第1章
夜の街はスーツを着たサラリーマンや人でごった返し、
アルコールの臭いが鼻につく。
もしかしたら、誰かが自分に目を留めて、
保護してくれるんじゃないかと、淡い希望みたいなものを
胸に抱えていたが、そんなに人生は甘くない。
人々は僕を気にするどころか眼中にすらなく、
自分たちのことしか興味がないといった感じだ。
こんなところでうろちょろして警察官に見つかり、
補導でもされて家に連れ戻れされれば、また、
母親からのあの虐待に耐える日々が始まることになる。
家には父親がいない上、
小学3年生の僕は母親に抵抗する力を持ち合わせてないので、
なんとしてでもそれだけは避けなければならないと、
もうお金なんて入ってもない母親の財布を…
もくじ (1章)
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