花嫁は幸せに
第1章
今日は高跳びのテストがあった。高跳びは私が嫌いな体育の競技ナンバーワンで、高跳び、という文字を見るだけで憂鬱な気分になる。どのくらいの速度で走ればいいのかわからない。どのタイミングで力を入れて、どうやって飛べばいいのかわからない。恐怖心で、バーの直前に来ると足がすくみ、必ず私はみんなの前でバーにぶつかる。先生が言うには、
「怖がっちゃいつまでも飛べないぞ!自分は飛べる、と思うこと!」
とのことだが、私にとって、怒ったお父さんと、ゴキブリと、高跳びのバーに勝る怖いものはない。
私はそうして今日もバーに身体をぶつける。
家に帰るとお母さんがココアを入れてくれる。私は高跳びについて話す。
「せんせいがねぇ、…
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