モウン
第1章
僕は首をしめる。
悠々と、毎朝学校に通うように。まるでそれが当たり前の日常であるみたいに。
殺せればいいのに。
そう思いながら。ただ水たまりをのぞき込むように、君の死骸の首を占める。
君は歩く。
たとったとと。
リュックのポッケットの飲みかけのみずを鳴らしながら。
左耳には空色のイヤホン。右耳の分はたゆたゆと宙を舞う。
信号待ちの指先を白い端末におとし、青い目には画面の中の空を写す。
霹靂の中の晴天とでも言うのか。
彼女を見ているとまるで今日が晴天であることを信じてしまう。
汚れた雨は目に見えない。
あおいスカートは緩やかになびく。水の重さなんて消えてしまった。
足首まで水はのぼる。
君は本…
もくじ (1章)
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神様からの恋文。
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