元カレと馬
第1章
似た者同士である。私達カップルは。いや、似た者同士であった。先週、突風が吹き抜けたかのように別れを告げられるまでは。
似ているが故に、付き合っている頃は喧嘩が絶えなかった。同族嫌悪に愛情が入り交じった形容し難い感情。火鍋にカフェオレを混ぜたような、いやそれは違うか。
彼は恥ずかしがり屋で、彼の方から「愛してる」だの、「好きだよ」だの、そういった類いの言葉は一切口にしなかった。その結果フラストレーションが溜まり、いつも些細なことから喧嘩に発展してしまった。愛情の言語化とは、精神安定剤のようなものである。
ともあれ、好きだった。繰り返される喧嘩だって、仲直りした後の甘い時間の為のスパイスだと思っていた…
もくじ (1章)
作品情報
どうも、初めて筆をとった変態です。
特異な体質を持つ女と元カレの変な話です。
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