完結

泡沫

第1章

 彼女が好きだった丘の上。
 丘の頂上には、大きな桜の木が立っている。

 そろそろ風が暖かくなってくる季節のはずなのに、凍えるほど寒い。
 そう感じるのは、きっと風のせいじゃない。

 一年前に入院してから彼女が、丘の上に来れたことは無かった。

 僕はよくお見舞いに行き、その度に最近あったことをラップした。
 別にラップなんて好きじゃなかったけども、彼女の笑顔が好きで、ラップを一生懸命勉強して、ラップをしていた。

 彼女はラップが、ラッパーが好きだった。
 言いたいこと、やりたいことを自由にするラッパーが大好きだった。
 彼女は生まれつき体が弱くて、いつも保健室にいた。
 僕は幼馴染ということをいいことに、休み時間の度に保健室へ行って…

もくじ (1章)

  • 第1章 第1章

    第1章

    2018年8月3日

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捧げる歌。

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