完結

月が "ソ" を盗んだ日

青春・学園

更新日:2019年8月12日

月が "ソ" を盗んだ日

第1章


「た、た、た、たっ、た、た! 」
"月" がドタバタと教室のドアを開けたのは、僕らの生産性のない話が、終盤に差し掛かったころだった。

今日は、合唱コンクール本番前の最終練習があり、すでに帰るのが遅くなっていたが……男子の無駄話は、いつどこで、花開くか予想がつかない。
僕は門限を気にしつつ、半田と、二の腕の柔らかさについて語っていた。

「つーきーくん、どーしたのっ」
半田が揶揄い(からかい)ながら問う。
「た、た、たっ、大変なんだって……」
少し落ち着きを取り戻しつつ、月が答えた。
「で?どした?」僕が改めて聞くと

ーー月は、僕が人生で一度も、聞いたことのない言葉を発した。
ーーそして、たぶん、今後の人生でも。

もくじ (1章)

  • 第1章 第1章

    第1章

    2019年8月12日

作品情報

合唱コンクール前日、ピアノから"ソ"が盗まれた。

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