声の保険屋さん
第1章
『おや…いらっしゃいませ』
青年がこちらに気が付いて声をあげた。
自分はレトロな喫茶店のような場所にいた。
備え付けのカウンターの棚には透明な瓶が沢山並んでおり、下の方に白いラベルが貼られている。
見たところ中身はないようだ。
その他には何の変哲もないレトロな喫茶店…のような場所。
そこに自分はいる。
『お客様は久しぶりですね…こちらへどうぞ』
そう青年が話しかけ、中へ促した。
訳が分からぬまま、促された年季の入ったソファーへと腰を下ろす。
青年がカウンターの中へ入り、何やら作業を始めた。カチャカチャと鳴る音に次いでパコッと間の抜けた音が鳴る方を見遣る。
どうやらここの雰囲気に似合わず日本茶を淹れているようだ。
…
もくじ (2章)
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