ハイウェイ先輩、なんでなん?
第1章 1
僕はハイウェイ先輩を追いかける。速い、速すぎる。
「ま、待って下さい、先輩」
「うるせぇぞ。おいてくわ」
なんて言いながら、速度はゆるめてくれたようだ。カッカッカ、と笑い声も風に乗ってくるようだった。
我々人狼の仲間のうちで最も速いのがハイウェイ先輩だ。
(あ、ちょっと、話が飛躍しすぎたかな。僕は3週間前から人狼である。)
基本的には二足歩行だが、山道を駆け抜けるときは両手を前足のように使う。
爪が地面をグリップし、肩の筋肉が盛り上がり、タッタッタッタッと、木々が後ろへと流れていく。
確かにこの速さは気持ち良いのだけれど、ハイウェイ先輩は走るのが好きすぎて、目的もなく駆け出すもんだから、付き合う方はまいった…
もくじ (6章)
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