低速機動エレベーターババア
第1章 1
▼6階・入院棟
市内にある大きな総合病院。
入院棟になっている6階。
通路脇につらなる病室の一室から、夏服姿の男子高校生が二人出てくる。彼らはいったん出入口で立ち止まり、「じゃあな」と室内へ手をあげて別れをつげる。それから病室のドアを閉じ、エレベーターがあるほうへ肩を並べて歩き出した。
「しっかし、直樹のやつ、本当に術後かよォ。ピンピンしてたぞ、ピンピン」
と、頭の後ろに腕を組んだ斎川舜平(さいかわしゅんぺい)が、あきれた調子で笑いながらとなりを見る。
「すごく元気だったねー、顔色良かったし、なによりだよ。まだベッドで安静にしてなきゃいけないみたいだけどさー」
と、増田正則(ますだまさのり)がやわらかな笑…
もくじ (18章)
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動け、動け、動け! 動けよババア!
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