からて
第1章
僕は小学3年生のころ、空手をはじめた。
車で10分くらいのところに道場があって、そこに通っていた。
なんで始めたのかというと、つまるところ、クラスの苦手な奴に
「一泡吹かせてやりたい」
これだった。
父に、空手の教室に通いたいと告げたときに「なんで?」と聞かれたので、そう答えた。
小柄な僕が、あいつに刃向かうには力がいると思ったのだ。
空手を習えば、なにか凄いパンチを覚えたりして、あの小憎たらしい
「いみわかんね~し~」
と、ことあるごとに唇を尖らせるあいつの顔面にスーパーパンチをお見舞いしてやれる。
そう考えた。
だけど、父は
「暴力はだめだ。 だけど、それはきっと空手の先生がもっと教えてくれる。 いっていいぞ」…
もくじ (1章)
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