罪の告白
第1章
『死人に口なし』なんて言いますけどねえ。
とんでもないことでさあ。
現にこうして、貴方様とアッシはお互いの言ってることがわかるじゃあありませんか。
え? 分からない?
だんなぁ、嘘ついちゃあいけませんぜ。
アッシの話に応えてる時点で、旦那はちゃあんと、アッシの声が聞こえてるって分かってるんでさあ。
今日旦那のところに化けて出たのは、他でもねえ。ちょいとアッシの身の上話を聞いてもらいたかったんですよ。
アッシはね、売れない刀職人の家に生まれたんでさあ。父親は、怒るとそりゃ怖い人でね。
悪さをしては、刀を鍛える金槌で叩かれたもんでさあ。
そんな家なもんで、アッシも親父の跡を継いで刀職人をやってたんです。
といって…
もくじ (1章)
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悪夢にうなされる
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