胸に秘めたる物語
第1章 不甲斐ない
あの時、あの駅前で君を花火に誘えなかったことを、僕は今でも後悔している。
僕が君に好きだと言えない理由は、もう僕がこの世のものではないからだ。あの日、僕は交通事故に巻き込まれて死んだ。
というのは、昨日見たドラマの話だ。大好きなグラビアアイドルがちょい役で出演していた。主人公に猛アピールするバカっぽい女の役だった。
僕はそのアイリちゃんのファンだけど、恋愛とは別だと分かっている。この好きとあの好きは別物だ。
好きなのは君だけだ。
だけど僕は君に好きだと言えない。
その理由は、僕が君に飼われている犬だから、ではないワン。僕が未来からやってきたから、でもなければ、血の繋がりがあるから、でもない。
歳は離れて…
もくじ (2章)
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